技術者・保全担当者向けの図解ハンドブック(計算例と参考文献付き)

構造 · 作動原理 · 種類 · キャビテーションとエアバインディングの見分け方と防止

要点

  1. 原理を一文で: モーターが羽根車を回し、羽根車が液体に機械的エネルギーを与える。その後、うず巻ケーシング(または案内羽根)が液体の速度エネルギーを圧力に変える。
  2. 代表的な二つのトラブル: キャビテーション(局所圧力が液体の蒸気圧を下回って気泡が生じ、のちに崩壊する現象)とエアバインディング(ポンプ内に閉じ込められた気体のため液体を吸い込めない現象)。原因・症状・対策はそれぞれ異なる。
  3. 選定の基本則: システムの有効吸込ヘッド(NPSHA)は、ポンプの必要吸込ヘッド(NPSHR)を余裕をもって上回らなければならない。NPSHAがNPSHRをわずかに上回る程度では、キャビテーションのない運転は保証されない。
  4. 運転の基本則: ポンプは最高効率点(BEP)流量のおよそ70 %–120 %の範囲で運転する(比速度の高い一部のポンプではさらに狭い)。
  5. 保全の基本則: 運転すきまが新品最小値の約2倍に達したとき、または性能が明らかに低下したときは、ウェアリングを交換する。

6. 多段ポンプ: 1本の軸に複数の羽根車を直列に取り付け、全揚程はおおむね各段の揚程の和になる。要点は軸スラストの平衡(対向配置の羽根車、またはバランスドラム/ディスク)と段間のすきまである。

1. 遠心ポンプとは

遠心ポンプは、回転する羽根車が通過する液体にエネルギーを与えるターボ形(回転形)の機械である。化学プラント、製油所、発電所、上下水道、灌漑、空調設備などで使われる。構造が機械的に簡単で、流量が連続的かつ滑らかで、適用範囲が広く、小型で、購入・運転コストが比較的低いことから広く普及している。限界も同じく重要で、一般に自吸能力がなく、高粘度の液体では効率が下がり、設計点から大きく外れた運転では効率も信頼性も低下する。

本ガイドは「構造 → 原理 → 分類 → キャビテーション/エアバインディング」という古典的な流れを維持しつつ、選定・保全の注意点、計算例、始動チェックリスト、トラブル対応表を追加している。よく見かけるが不正確な表現のいくつかは、第10章で正確に言い直した。

2. 4ステップで理解する作動のしくみ

  1. 呼び水(プライミング)。 始動前に、ケーシングと吸込管を液体で満たしておかなければならない。羽根車が動かすのは空気ではなく液体であり、ポンプ内に気体があるとエアバインディングが起こる。
  2. 羽根車が仕事をする。 羽根車が高速で回転すると、羽根が液体を一緒に回す。遠心作用で液体は羽根車の目(アイ)から外周へ投げ出され、圧力と速度がともに上がる。
  3. うず巻ケーシングが圧力を回復する。 液体は断面積が徐々に大きくなるケーシング流路に入る。速度が下がり、運動エネルギーの大部分が圧力に変わってから吐出口を出る。
  4. 吸込側がアイを補給する。 液体が外へ投げ出されると羽根車のアイの圧力が下がる。供給液面の圧力(開放タンクなら大気圧)とアイの圧力との差が液体を吸込管へ押し込み、このサイクルが続く。

図1. 遠心ポンプの作動原理。

簡単な計算 — 羽根車の周速: u = π·D·n / 60。D = 0.20 m、n = 2,900 rpm の場合、u ≈ 30.4 m/s となる。1段の揚程はおおよそ周速の2乗に比例するため、回転数や羽根車径の変更は揚程に大きく効く(第8章の相似則を参照)。

よくある誤解:羽根車のアイは「真空」なのか?

羽根車の中心が真空だというのは省略した言い方である。実際にはアイの圧力が低下するだけである(大気圧より低くなることはあるが、真空ではない)。ポンプが液体をどこまで高く吸い上げられるかは、大気圧、液体の蒸気圧、吸込管の損失、ポンプ自体のNPSHRで決まり、「どれだけ真空を作るか」では決まらない。圧力が蒸気圧まで下がるとキャビテーションが始まる(第6章)。[3][4]

3. 構造と各部品のポイント

遠心ポンプは外観が大きく異なるが、主要部品は共通している。羽根車、軸、ケーシング(うず巻)、軸受と軸受ハウジング、軸封部、ウェアリング、そして多段ポンプでは案内羽根(ディフューザ)である。下表は早見表として使える。

部品

主な役割

一般的な材質

代表的な故障/着目点

羽根車

液体に仕事をする、エネルギー伝達の中心部品
鋳鉄、青銅、ステンレス鋼などの耐食合金(液体に応じて選定)
キャビテーションによる侵食(ピッチング)、摩耗、詰まり、バランス喪失

軸

トルクを伝え、羽根車を所定位置に保持する
炭素鋼、ステンレス鋼
曲がり、疲労破断、軸方向固定のゆるみ

軸スリーブ

軸を保護し、摩耗が交換可能な部品で起こるようにする
ステンレス鋼および表面硬化品(浸炭、窒化、硬質クロムめっき、溶射)
パッキン下に溝が生じ、漏れの原因となる

軸受

回転体の重量と半径方向・軸方向の荷重を支える
主に転がり軸受、グリースまたは油潤滑
過熱、潤滑剤の汚染、芯ずれ、キャビテーション起因の振動

軸封部

軸がケーシングを貫通する部分を密封し、漏れ(または空気の侵入)を防ぐ
グランドパッキンまたはメカニカルシール
漏れ、空運転、フラッシング不足

ケーシング(うず巻)

羽根車から出た液体を集めて減速・昇圧する
鋳鉄。腐食性用途にはステンレス鋼・樹脂・FRP、高圧多段には鋳鋼
腐食、浸食、過大な半径方向荷重

ディフューザ(案内羽根)

分割形多段ポンプで液体を導き、次段へ送る前に圧力を回復させる
ケーシング材質に合わせる
羽根車とのすきまが不適切だと振動・騒音の原因になる

ウェアリング

羽根車吐出側から吸込側への内部漏れを抑え、ケーシングを保護する
交換可能な耐摩耗リング
すきまが広がると流量と効率が低下する

3.1 羽根車:3つの構造とトレードオフ

図2. クローズド、セミオープン、オープン羽根車

形式

構造

効率 / 適した液体

備考

クローズド

前後のシュラウドが羽根を挟む
最も高い / 固形物や繊維が少ない、または含まない清浄な液体
漏れ抑制のためウェアリングが必要。リングすきまが増えると効率が下がる。流路が詰まりやすく、清掃もしにくい [17][19]

セミオープン

後シュラウドのみ
中間 / 固形物や繊維が浮遊する、または沈殿する液体
羽根とケーシング間のすきまが摩耗し軸方向調整が必要。不平衡軸力はクローズドより大きいのが普通 [17][20]

オープン

シュラウドなし
やや低い / 固形物含有量の多い液体(汚水、スラリー)
羽根の機械的強度が弱いため、産業用ポンプで本来のオープン羽根車は多くない。圧力が作用するシュラウド面積がほとんどなく、軸力は小さい [17][19]

注:固形物用羽根車は流路を広く保つため羽根枚数を減らす(一般に1~4枚)が、清水用クローズド羽根車は通常もっと多い。枚数は設計によって異なるため、特定の数字を決まりとして扱うべきではない。[18]

3.2 軸、スリーブ、軸受

  • 軸方向の固定: キーはトルクを伝えるが羽根車の軸方向位置は固定しない。そのため軸スリーブと締付けナットで位置決めする。
  • 逆回転の防止: 締付けナットが回転方向のねじで緩み止めされている構造では、逆回転でナットが緩むおそれがある。初回組立てや分解整備の後は、モーターの回転方向がポンプの矢印と一致することを確認する(通常はカップリングを外してモーターを寸動する)。
  • スリーブは消耗品: グランドパッキンを使う場合、スリーブが摩擦を受けるため表面硬化が施されることが多い。溝のできたスリーブは交換する。グランドをいくら締めても、スリーブの溝を通る漏れは止まらない。[16]
  • 軸受: 転がり軸受が主流である。潤滑剤の清浄度と油量が寿命を左右する最大の要因で、はめあいやすきまはメーカー図面と軸受カタログに従う。

3.3 軸封:パッキンかメカニカルシールか

軸がケーシングから出る部分は必ず密封しなければならない。さもないと加圧液が軸に沿って漏れ、吸込側では空気を吸い込むこともある。一般的な二つの方式は次のとおり。

項目

グランドパッキン

メカニカルシール

原理

グランド押えが編組リングを軸スリーブに押し付ける
回転面と静止面をばねと流体圧で密着させる

漏れ

潤滑・冷却のため、わずかに漏れるよう設計されている。ゆっくりした滴下が目標 [16]
非常に少なく、目に見えないことも多い

摩擦/動力

摩擦と動力損失が大きい
摩擦が小さい。あるメーカーは、バランス形メカニカルシールはパッキンよりはるかに少ない動力で済むと報告している [15]

軸への影響

スリーブに溝を作ることがある
スリーブ摩耗は非常に小さい

故障の挙動

漏れが徐々に増え、ポンプを止めずに再調整できる
故障するとポンプの停止が必要になることがある

コスト/保全

初期コストは低いが、定期的な調整が必要
初期コストは高いが、保全頻度は低い

典型的な用途

低圧、非危険液体、または段階的な劣化と現場調整が重視される場合
低漏れ、危険または高価な液体、長期連続運転

パッキンのコツ:緩すぎると漏れが過大になり、締めすぎると始動時にパッキンが焼け、スリーブに傷が付くことがある。フラッシングを使う場合は清浄で、スタッフィングボックス圧力よりやや高くする。[15][16]

3.4 ケーシング:うず巻、二重うず巻、ディフューザ

羽根車の速度エネルギーを圧力に変える方法には、うず巻ケーシング(面積が増える渦巻状の流路)とディフューザ(羽根車の周囲の固定羽根が作る拡大流路)がある。うず巻は製作が容易で高効率域が広く、最も一般的な形式である。[5][8]

半径方向荷重の問題: 単一うず巻は、最高効率点付近でのみ羽根車の周囲の圧力が均一になる。BEPから外れると圧力が不均一になり、羽根車と軸に半径方向の荷重がかかって軸が曲がったり、軸受やシールの寿命が縮んだりする。HIは、半径方向スラストがBEP付近で最小となり、流量が減っても増えても大きくなると述べている。[6] 対策としては、二重うず巻(舌部を180°離して二つの半径方向力をほぼ打ち消す)、ディフューザ、またはより剛性の高い軸と大きな軸受がある。[5][8]

図3. 流量に対する半径方向力の傾向(模式図)。二重うず巻は半径方向力を大幅に減らすが、ゼロにはしない

ある実験研究(500–900 rpmの試験ポンプ)は、二重うず巻が単一うず巻に比べ、締切運転で半径方向スラストを55 %以上、大流量で40 %以上低減したが、最高効率は依然として単一うず巻で得られたと報告している。[7] 業界資料も、二重うず巻の半径方向力は「大幅に低減されるが完全には除去されない」こと、また分割羽根が下水など固形物を含む液体で詰まる可能性があることを指摘している。[5] 多段ポンプでは、最初と最後の段にうず巻ケーシング、その間にディフューザを置く配置が一般的である。ディフューザ式ケーシングは製作が容易でエネルギー変換がやや効率的だが、組立てや整備は難しい。

3.5 ウェアリング:わずかなすきまが大きく効く

ウェアリングは羽根車のアイ(場合により後シュラウド)に設けられ、ごく小さなすきまで高圧側から吸込側への戻り流れを抑える。すきまが小さいほど内部漏れが減り効率は上がるが、小さすぎると接触・焼付きの危険があるため、常にメーカー図面と適用規格に従う。

  • 半径すきまと直径すきま: 実際の運転すきま(半径方向)は直径すきまの半分である。[9] 表やマニュアルがどちらを指しているか必ず確認する。
  • 代表的な数値(あるメーカーのマニュアル): 羽根車リング径50 mm未満で最小直径すきま25 mm(0.010 in)、80–89.99 mmで0.33 mm。[11] API 610の「最小内部運転すきま」表はリング径約50–650 mm(2–26 in)を対象とし、その値は金属同士の運転における最小値であって、最大許容すきまではない。[9][10]
  • 交換の目安: 同マニュアルは、直径すきまが表の最小値の2倍を超えたとき、または水力性能が許容できなくなったときの交換を勧めている。[11] 汚水ポンプの指針も同じ経験則、すなわち工場公差の2倍になったら交換、としている。[18]
  • なぜ重要か: 試験によれば、ウェアリングのすきまはポンプ性能に大きく影響し、特に比速度の低いポンプで顕著である。[12]

リングの一般的な3形式:平形(簡単で安価だが密封性は最も劣る)、L形(漏れが90°曲がる経路を通るため平形より優れ、広く使われる)、ラビリンス形(密封性は最良だが複雑で高価、一般的な遠心ポンプではまれ)。

4. 多段遠心ポンプ

羽根車1枚で得られる揚程は周速によって制限される(揚程は周速のおおよそ2乗に比例)。数十m、数百m、さらには数千mの揚程が必要な用途では、1本の軸に複数の羽根車を直列に取り付け、ある段を出た液体を次段のアイへ導く。これが多段遠心ポンプで、各段は同じ流量を扱い、全揚程はおおむね段間損失を除いた各段揚程の和になる。[23]

図4. 4段遠心ポンプの縦断面(セグメント形、羽根車は同方向配置)。.

図5. アニメーション:液体が段ごとに圧力を得ていく(青=低圧 → 赤=高圧)。

4.1 なぜ多段なのか:計算例

図6. 段ごとに圧力が上がる:全揚程は各段揚程の和。

計算例(例示データ): 1段60 mの5段構成では、理想的な全揚程は約5 × 60 = 300 mとなる(実際には段間損失で多少低下する)。清水(ρ ≈ 998 kg/m³)、Q = 30 m³/h = 0.00833 m³/sのとき、水動力 P_h = ρ·g·Q·H ≈ 998 × 9.81 × 0.00833 × 300 ≈ 24.5 kW。ポンプ効率65 %なら軸動力は約24.5 / 0.65 ≈ 37.7 kWである。羽根車1枚で300 mを得ようとすると、非常に高い回転数か非常に大きな直径が必要になり、応力、キャビテーション、騒音が許容できなくなる。多段ポンプが存在する理由はここにある。

代表的な用途:ボイラ給水、高層ビルや長距離送水の加圧、鉱山排水、逆浸透膜への給水、パイプラインの昇圧、各種の高揚程プロセス用途。

4.2 流れの経路と主要部品

  • 吸込室: 液体を初段羽根車のアイへ均一に導く。多段ポンプのNPSH要求は主に初段入口で決まるため、NPSHRの確認は引き続き必要である(第6章)。
  • 羽根車: 同じ軸に順に取り付けられ、各段がそれぞれの分の揚程を加える。
  • ディフューザ/戻り流路: 羽根車を出た高速の液体を減速して圧力を回復させ、半径方向内側へ導いて次の羽根車のアイへ送る。[8][23]
  • 段間仕切りと段間シール: 圧力の異なる隣接段を仕切る。スロットルブッシュやウェアリングが高圧から低圧への漏れを抑え、摩耗すると通常のウェアリングと同様に効率が下がる。[24]
  • 平衡装置: 蓄積した軸スラストを打ち消す(4参照)。
  • 吐出ケーシング: 最終段の流れを集めて吐出管へ送る。

4.3 一般的な3つのケーシング構造

図7. 多段ポンプの代表的な3つのケーシング構造

形式(API 610記号)

構造

長所

制約

セグメント形/リングセクション形(BB4)

1段ごとにケーシング区画を積み重ね、吸込側と吐出側ケーシングの間をタイロッドで締結
コンパクトで、製作・在庫管理が経済的
区画間の金属同士の密封により高温用途が制限される。リングセクション形ポンプはAPI 610の基準に対する例外である [24]

軸方向(水平)割形(BB3)

軸心を通る水平面でケーシングを分割。羽根車はしばしば2つの対向グループに配置
対向羽根車がスラストを直接平衡させる。カバーを持ち上げればロータを取り出して整備できる [24][25]
圧力に上限があり、それ以上では通常バレル形を用いる

バレル形/二重ケーシング(BB5)

外側バレルの中に内部カートリッジ(内部ケーシングとロータ)を収める
非常に高い圧力に耐え、高圧の重負荷用途に適する [24]
初期コストが高い。羽根車の対向配置が難しく、通常はバランスドラムを用いる [25]

4.4 軸スラストの平衡:設計の要点

各羽根車の両面にかかる圧力は異なり、吸込側へ向かう軸方向の力が生じる。圧力が高く羽根車の多い多段ポンプでは、これらの力が蓄積して非常に大きな荷重となり、対策しなければスラスト軸受がすぐに破損する。[23] 主な解決策は二つある。

図8. 多段ポンプで軸スラストを平衡させる2つの方法

方式

しくみ

備考

対向羽根車(背中合わせ)

羽根車の半数を逆向きに取り付け、二つのグループが互いに逆方向に押し合って打ち消す
軸方向割形ポンプでは通常もっとも経済的で、スラスト軸受が受けるのは小さな残留荷重のみ [24][25]

バランスドラム/ディスク

羽根車はすべて同じ向きで、最終段の後ろのドラム(またはディスク)が前後の圧力差で逆向きの力を発生させ、漏れた液体はバランス管で吸込側へ戻す [23][25]
高圧バレル形ポンプに適する。圧力降下はドラムでは半径方向すきまで、ディスクでは軸方向の面で生じる [25]

保全上の注意: 平衡装置はごく小さなすきまで働くため、摩耗すると漏れが増え、平衡力が低下し、スラスト軸受の負荷が増す。技術資料は、バランスドラム/ディスクが故障するとスラスト軸受の損傷が続いて起こりやすいと警告している。[25] バランス管の流量、スラスト軸受の温度、軸位置を監視し、メーカーの要求に従ってすきまを点検する。

4.5 運転・保全のポイント

ポイント

説明

始動前の呼び水と空気抜き

段数が多いほど気体がたまる室が多くなる。メーカーの指示どおりすべてのベント箇所で空気を抜かないと、エアバインディングを起こすおそれがある(6.4参照)

最小連続流量

多段ポンプは動力が大きく、低流量ではその大部分が熱になる。低流量で長時間運転しない。必要なら最小流量用の再循環ラインを設け、メーカーが示す最小連続安定流量を守る [13]

速度制御

相似則は引き続き成り立つ(8.2参照)。定格揚程300 mのポンプを回転数90 %で運転すると、揚程は約81 %(約243 m)になる

段間すきま

整備時にウェアリング/スロットルブッシュと平衡装置のすきまを点検し、限度を超えた部品は交換する [11][24]

振動と軸位置

振動、スラスト軸受温度、軸方向位置を監視する。平衡装置の摩耗やキャビテーションの早期警告となる

4.6 単段か多段か

項目

単段

多段

揚程

低~中
高(段数に応じて加算)

複雑さ

単純
より複雑(仕切り、ディフューザ、平衡装置)

設置面積とコスト

コンパクトで低コスト
大型で、購入・保全コストが高い

軸スラスト

扱いやすい(両吸込、背面羽根、平衡孔など)
意図的に平衡させる必要がある(対向羽根車またはドラム/ディスク)

代表的な用途

給水、循環、一般的なプロセス移送
ボイラ給水、高層ビル/長距離給水、高圧プロセス

5. 遠心ポンプの分類

ポンプの分類方法は複数あり、実際の選定では通常いくつかを組み合わせて用いる。

分類基準

種類

備考

羽根車の数

単段/多段
多段ポンプは2枚以上の羽根車を直列に配置し、全揚程はおおむね各段揚程の和

羽根車の吸込方式

片吸込/両吸込
両吸込羽根車は両側から液体を受け入れる(片吸込羽根車2枚を背中合わせにしたようなもの)。同じ回転数で流量が約2倍になり、軸スラストもほぼ平衡する

軸の向き

横軸/立軸
立軸ポンプは設置面積が小さく、ピットや深井戸に適する

ケーシングの分割

水平割/垂直(半径方向)割
割形ケーシングのポンプは軸心を通る水平面で開くため、配管を外さずにロータを取り出せる

流れの集め方

うず巻/ディフューザ
3.4参照。多段ポンプでは両端にうず巻、その間にディフューザを用いることが多い

圧力区分(教科書上の慣例)

低圧/中圧/高圧
教科書によっては揚程で分ける(例:低圧は約100 m未満、高圧は約650 m超)が、業界全体で統一された境界はなく、実務では用途と規格上の形式で分類する

取り扱う液体

清水用、油用、耐食用、スラリー用ポンプなど
液体が材質、シール方式、羽根車形式を決める

石油・石油化学・ガス産業では、API 610/ISO 13709が遠心ポンプを大きく片持ち形(OH)、軸受間形(BB)、立形つり下げ形(VS)に分け、さらに細分している。[22]

6. キャビテーションとエアバインディング:似た症状だが別の問題

6.1 キャビテーション

  • メカニズム: 羽根車入口の局所圧力が、運転温度での液体の蒸気圧を下回ると、蒸気の気泡が生じる。気泡がより高圧の領域に運ばれると激しく崩壊し、周囲の液体が空洞に突入して局所的な衝撃荷重を生む。この衝撃が羽根車やケーシングに繰り返し当たると、ピッティング、亀裂、重症の場合はスポンジ状の材料損失を引き起こす。[2][3]
  • 症状: 騒音(ポンプ内で砂利が転がるような音と表現されることが多い)、振動、流量・揚程・効率の低下(極端な場合は全く送れない)、羽根車入口付近のピッティング。

6.2 NPSHを理解する:NPSHAとNPSHR

  • NPSHA(有効): 設備側で決まり、ポンプ入口での液体の全ヘッドが蒸気圧ヘッドをどれだけ上回っているかを表す。
  • NPSHR(必要): ポンプ側で決まり、試験で求めて性能曲線に掲載される。標準的なHI試験では、回転数と流量を一定に保って吸込圧力を段階的に下げ、ポンプ揚程がキャビテーションのない場合に比べて3 %低下したときのNPSHをNPSHR(NPSH3%)とする。[1][3]

NPSHAの計算(開放供給タンク、ポンプが液面より上にある場合)

NPSHA = (p_atm − p_v) / (ρ·g) − Z_s − h_f

p_atm:液面の絶対圧力、p_v:揚液温度での蒸気圧、ρ:密度、g = 9.81 m/s²、Z_s:ポンプ入口中心の液面からの高さ(吸上げは正、押込みは負)、h_f:バルブ・エルボ・ストレーナを含む吸込管の全損失。

図9. キャビテーション試験曲線:回転数・流量一定でのNPSHAと揚程(模式図)

重要な訂正:NPSHA > NPSHR は「キャビテーションがまったくない」ことを意味しない

Hydraulic Instituteは、NPSHAがNPSHRを上回っていても羽根車にキャビテーションが生じうるが、それが必ずしも羽根車を損傷するわけではないと述べている。損傷は液体の熱力学的性質、材質、運転時間などにも左右される。[1] 業界の著者は、キャビテーションがNPSHRの2~20倍で始まることがあり、平均は約4–5倍だと報告している。これはNPSHAがNPSHRの4–5倍必要という意味ではないが、妥当な余裕は必要である。[2] HIは用途や吸込エネルギー別のNPSH余裕の指針も発行しており、ポンプ選定時に参照する。

6.3 計算例:同じ配管で、水温20 °Cと80 °C

与条件(例):開放供給タンク、p_atm = 101.3 kPa、ポンプ入口は液面の3.0 m上、吸込損失 h_f = 0.8 m、運転流量でのポンプのNPSHR = 3.5 m。水の蒸気圧と密度は蒸気表から取った。[21]

ケース

水, 20 °C

水, 80 °C

p_v

2.34 kPa
47.4 kPa

ρ

998 kg/m³
972 kg/m³

(p_atm − p_v)/(ρg)

10.11 m
5.66 m

NPSHA

10.11 − 3.0 − 0.8 ≈ 6.3 m
5.66 − 3.0 − 0.8 ≈ 1.9 m

NPSHR = 3.5 mとの比較

NPSHRの約1.8倍 — 十分な余裕
NPSHR未満 — キャビテーション確実

結論:温度上昇だけで蒸気圧が大きく上がり、NPSHAは約6.3 mから約1.9 mに低下して、ポンプの必要値を下回る。対策:液体を冷却する、ポンプを下げる(または押込み式にしてZ_sを負にする)、吸込管を太くしてh_fを減らす、NPSHRのより小さいポンプを選ぶ。

水温

飽和蒸気圧(kPa、概数)

20 °C

2.34

60 °C

19.9

80 °C

47.4

100 °C

101.3

6.4 エアバインディング

メカニズム: 始動時にポンプ内に空気が閉じ込められていると、空気の密度が非常に小さいため羽根車が生む遠心力も圧力差も小さい。アイの低圧では液体を吸い込めず、ポンプは送水せずに空回りする。このため一般的な遠心ポンプは自吸能力がなく、始動前に液体で満たす必要がある(または吸込口を液面より下に置いて液体が自然に流入するようにする)。

6.5 キャビテーションとエアバインディングの比較

項目

キャビテーション

エアバインディング

本質

液体が蒸発し、気泡が生じて崩壊する
ポンプ内に空気/気体が閉じ込められ、十分な吸込力が生じない

発生時期

運転中。運転条件、温度、流量に依存
主に始動時、または吸込管が空気を吸うとき

典型的な兆候

騒音、振動、揚程・流量の低下、羽根車のピッティング
送水がない、またはごくわずか。圧力が低い、または変動する。キャビテーション特有の砂利音はない

基本的な対策

NPSHAを上げ、NPSHRを下げ、適切な流量範囲で運転する
始動前に呼び水と空気抜きを行い、吸込配管の気密を保ち、吸込口での空気の巻き込みを防ぐ

羽根車を損傷するか

する(長引く場合)
通常はしないが、長時間の空運転は過熱してメカニカルシールを損傷することがある

7. 予防チェックリスト

7.1 キャビテーション:原因と対策

よくある原因

対策

吸込管の抵抗が大きい、管径が小さい、ストレーナの目詰まり
異物を除去し、必要なら吸込管を太くする。配管を短くし、不要なエルボやバルブを外す。ストレーナを定期的に清掃する
液温が高すぎる(蒸気圧が高い)
液体を冷却するか、供給タンクの圧力・液位を上げる。NPSHAを再計算する
流量が大きすぎる(吐出弁の開きすぎ)
吐出弁を少し絞る(吸込弁は絶対に絞らない)。ポンプをBEP流量の約70 %–120 %で運転する [13][14]
ポンプの設置位置が高すぎる
ポンプを下げるか液位を上げ、できれば押込み式にする。吸込静水頭を減らす
選定ミス
NPSHRの小さいポンプを選ぶ(例:大きな羽根車アイ、低回転数、インデューサ)。キャビテーションに耐える必要のある部品には耐キャビテーション材を使う

7.2 エアバインディング:原因と対策

  • 始動前にケーシングを液体で満たして空気をすべて抜く。呼び水用のバルブや接続部は気密にする。
  • 吸込管にフートバルブ(呼び水を保持)とストレーナ(固形物を阻止)を設け、吸込フランジやスタッフィングボックスからの空気漏れを点検する。
  • ポンプ入口を液面より下に置き、液体が自然に流入するようにする(押込み式)。
  • 吸込口の水没深さを十分に確保し、液面の渦が空気を巻き込まないようにする。

吐出管に調整弁を設け、始動・停止・流量調整に用いる。

8. 始動・停止と運転調整

8.1 始動チェックリスト

  1. ポンプ、モーター、基礎ボルト、カップリングの芯出しを点検する。軸は手で軽く回らなければならない。
  2. 潤滑剤の種類と油量を確認し、軸封部(グランドの締め具合またはメカニカルシールのフラッシング)を点検する。
  3. 吸込弁を全開にし、ポンプに呼び水を入れてすべての気体を抜く。
  4. カップリングを外した状態でモーターを寸動し、回転方向がケーシングの矢印と一致することを確認する(逆回転すると締付けナットが緩むおそれがある)。
  5. ほとんどの半径流形ポンプは吐出弁を閉または少し開けた状態で始動する(動力需要が最小)。始動後にゆっくり開いて運転流量にする。閉めたまま長く運転しない。液体が温まる。
  6. 運転中は電流、吐出圧力、軸受温度、振動、騒音、シールの漏れ量を監視する。流量調整に吸込弁を使ってはならない。
  7. 停止時は吐出弁を徐々に閉じてからモーターを止め、ポンプ内に残った液体は用途に応じて処理する。

以上は一般的な手順であり、必ずポンプメーカーの据付・運転・保守説明書(IOM)に従うこと。

8.2 運転点の調整:相似則

同じポンプの回転数nを変えると、流量・揚程・軸動力はおおよそ次のように変わる:Q₂/Q₁ = n₂/n₁;H₂/H₁ = (n₂/n₁)²;P₂/P₁ = (n₂/n₁)³。回転数を20 %下げる(n₂/n₁ = 0.8)と、流量は約80 %、揚程は64 %、動力は51 %になる。これがインバータによる速度制御の省エネの原理である。回転数を下げるとNPSHRも小さくなる。これらは近似であり、回転数の変化が大きい場合や静水頭が支配的な系では、システム曲線で確認する。

図10. 代表的な性能曲線と推奨運転領域(正規化した模式図。*推奨領域はANSI/HI 9.6.3による。大半のポンプでBEP流量の約70 %–120 %)。

グラフの読み方: (1) 揚程曲線とシステム曲線の交点が実際の運転点である。(2) 効率曲線の頂点がBEPで、運転点はその近くに保つ。(3) NPSHRは流量とともに増えるため、大流量ほどキャビテーションが起こりやすい。HIの推奨運転領域(POR)は一般にBEP流量の70 %–120 %で、比速度の高いポンプでは80 %–120 %に狭まる。API 610はさらに、定格流量がBEPの80 %–110 %の範囲にあることを求めている。[13]

9. FAQ

Q1:ポンプが水を送らない。まず何を確認する? 呼び水と空気抜きが済んでいるか(エアバインディング)を確認し、次に吸込側の空気漏れ、フートバルブやストレーナの詰まり、モーターの回転方向、供給液位の低下を調べる。

Q2:砂利が転がるような音がして流量が落ちた。何か? 典型的なキャビテーションである。NPSHAとNPSHRを再計算し、吸込抵抗、液温、流量が大きすぎないかを確認する。

Q3:流量を減らすために吸込弁を絞ってよいか? いけない。吸込弁は全開に保つこと。絞ると入口圧力が下がり、キャビテーションを招く。流量は吐出弁、回転数、羽根車の切削で調整する。

Q4:ウェアリングが摩耗するとどうなる? 内部漏れが増え、実際の送水量と効率が低下する。すきまが規定限度(例:新品最小値の約2倍)を超えたら交換する。

Q5:単一うず巻と二重うず巻のどちらを選ぶ? 高効率と清浄な液体が重要なら単一うず巻が一般的である。広い流量範囲が必要な場合や、軸受とシールへの半径方向荷重を減らしたい場合は二重うず巻を検討するが、分割羽根が固形物で詰まる可能性に注意する。[5]

10. よくある表現の訂正

すべての記述を検証できるように、次の通説は根拠を示したうえで訂正または条件付けをした。

よくある表現

本稿での扱い

「羽根車の中心に真空ができる」
「羽根車のアイの圧力が下がる」に改めた。圧力が蒸気圧まで下がるとキャビテーションが始まり、真空が大きいほどよいわけではない
「NPSHA > NPSHRならキャビテーションはない」
訂正:NPSHRは3 %揚程低下の基準であり、それより上でもすでにキャビテーションが存在しうる [1][2]
「キャビテーション」と「エアバインディング」の混同
区別して扱った:キャビテーションは液体の蒸発、エアバインディングはポンプ内に閉じ込められた気体
ウェアリングのすきま「0.1–0.2 mm」
条件を付した:半径すきまと直径すきまを区別する必要があり、値は直径・材質・回転数で変わる。例としてメーカーの表を用いた [9][11]
圧力区分(低圧 < 100 m など)
教科書上の慣例であり、普遍的な規格ではないと明記した
羽根車出口速度「15–25 m/s」
周速の式と計算例(30.4 m/s)に置き換えた。実際の値は回転数と直径で変わる
クローズド羽根車の羽根は「4–6枚」
条件を付した:羽根枚数は設計によって異なる

図と出典について

図1–10は自作の模式図であり、写真ではない。曲線は正規化した傾向を示すもので、特定のポンプの実測データではない。実際のデータにはメーカーの性能曲線を使うこと。

参考文献

[1] Hydraulic Institute. Pump FAQs (January 2007) — cavitation when NPSHA > NPSHR, the 3% head-drop criterion for NPSHR, and ANSI/HI 1.6. Pumps & Systems. https://www.pumpsandsystems.com/?p=4547

[2] Budris, A. R. Understanding Pump Cavitation and Its Impact on Pump Reliability. WaterWorld. https://www.waterworld.com/wastewater/treatment/article/16193748/understanding-pump-cavitation-and-its-impact-on-pump-reliability

[3] KSB. Centrifugal Pump Lexicon: NPSH. https://ksb.com/en-global/centrifugal-pump-lexicon/article/npsh-1116954

[4] Ruhrpumpen. Understanding Pump Cavitation. https://www.rcworst.com/blog/Understanding-Pump-Cavitation

[5] Budris, A. R. Pump Protection: The Pros and Cons of Various Centrifugal Pump Casing Types. WaterWorld. https://www.waterworld.com/wastewater-treatment/article/16190692/pump-protection-the-pros-and-cons-of-various-centrifugal-pump-casing-types

[6] Hydraulic Institute. HI Pump FAQs (February 2014): Single-Volute & Double-Volute Casings. Pumps & Systems. https://pumpsandsystems.com/hi-pump-faqs-february-2014

[7] Mina, E. M.; Abdelmessih, R. N.; Matbouly, M. E. Reduction of Radial Thrust by Using Triple-Volute Casing Centrifugal Pump. Journal of Al-Azhar University Engineering Sector, 11(38), 2016, 115–124. https://journals.ekb.eg/article_19501.html

[8] Pump Industry (Australia). Centrifugal pump basics (casings, radial thrust, diffusers). https://www.pumpindustry.com.au/?p=7513

[9] EASA. Wear ring considerations for centrifugal pumps. https://easa.com/resources/resource-library/wear-ring-considerations-for-centrifugal-pumps

[10] Pumps & Systems (2019). Wear Ring Clearance for Centrifugal Pumps. https://pumpsandsystems.com/wear-ring-clearance-centrifugal-pumps

[11] Goulds Pumps 3700 IOM — Minimum running clearances / replace wear rings. https://www.manualsdir.com/manuals/461697/goulds-pumps-3700-iom.html?page=75

[12] Pumps & Systems. Effect of Internal Clearances on NPSHR. https://www.pumpsandsystems.com/effect-internal-clearances-npshr

[13] Pumps & Systems. Pump Selection: Understanding Manufacturer Family Performance Charts, Part 1 (POR/AOR in ANSI/HI 9.6.3 and API 610). https://www.pumpsandsystems.com/pump-selection-understanding-manufacturer-family-performance-charts-part-1

[14] Wilo USA. Best Efficiency Point (Pump Basics). https://wilo.com/us/en_us/Training/On-Demand-Resources/Pump-Basics/Best-Efficiency-Point/

[15] AESSEAL. Why use mechanical seals (packing vs. mechanical seal). https://www.aesseal.com/en/resources/academy/why-use-mechanical-seals/

[16] SEPCO. What Is a Stuffing Box? A Beginner’s Guide to Pump Maintenance. https://empoweringpumps.com/sepco-what-is-a-stuffing-box-a-beginners-guide-to-pump-maintenance

[17] Pumps & Systems. Impeller types: semi-open impellers, axial force and pump-out vanes. https://www.pumpsandsystems.com/?p=7489

[18] Pump Industry (Australia). Selecting the correct sewage pump impeller. https://www.pumpindustry.com.au/selecting-the-correct-sewage-pump-impeller/

[19] Wikipedia. Impeller. https://en.wikipedia.org/wiki/Impeller

[20] Carver Pump Company. Impeller Selection: Semi-open vs. Enclosed. Environmental Expert, 2021. https://www.environmental-expert.com/articles/impeller-selection-semi-open-vs-enclosed-1019451

[21] NIST Chemistry WebBook / IAPWS-IF97: saturation properties of water (steam tables). https://webbook.nist.gov/chemistry/fluid/

[22] Related standards (consult the official texts): ANSI/HI 1.6 (centrifugal pump tests); ANSI/HI 9.6.1 (NPSH margin guideline); ANSI/HI 9.6.3 (allowable / preferred operating region); API 610 / ISO 13709 (centrifugal pumps for petroleum, petrochemical and natural gas industries); API 682 (shaft sealing systems).

[23] EPO patent publication EP 3889434 A1. Multistage centrifugal pump with a balancing line… (background on multistage construction, ring-section / barrel types, balance drum and balance line). https://data.epo.org/publication-server/rest/v1.2/publication-dates/20211006/patents/EP3889434NWA1/document.html

[24] Pumps & Systems. Multistage pump types (BB3 axially split, BB4 ring-section, barrel) and thrust balancing. https://www.pumpsandsystems.com/?p=8274

[25] Eng-Tips Forums FAQ. Balance drum / disc and opposed impellers in multistage pumps (engineers’ forum — reference only). https://www.eng-tips.com/faqs.cfm?fid=1306